今回は「ルビンの壺が割れた」(著:宿野かほる)という小説の感想です。
2017/08に発売、そしてその直前にはネットで全文無料公開されていました。無料公開されていた理由は「凄過ぎてキャッチコピーが付けれないから」という話題作です。
途中からネタバレ有りの感想としていますが・・・この本の性質上、未読の人はネタバレ部分は読まないようご注意下さい!
目次
きっかけ
この本を読むきっかけとなったのはブログを購読させて頂いている読書熊録さんで紹介されていたからです。
読書熊録さんはポジ出し、ネタバレ無しが信条という事でネタバレを避けたい派の私としては安心して読める書評ブログです。
こちらの記事を読ませて頂き、めっちゃ気になっていたのですが・・・購入までは至らず図書館での順番待ちをしていてようやく手元にきました。
ルビンの壺が割れた
本の発売日は2017/08/22、その約1ヶ月前の2017/07/14〜27の2週間全文が無料公開されキャッチコピーを募集するキャンペーンが実施されていました。
小説は読めませんが2018年4月時点では、キャンペーンサイトは今も残っていますので無くなっていました。
そこに記載されていた本書担当者のコメントをご紹介します。
ここに公開するのは、ある日突然送られてきた、まったく名前の知られていない著者による、刊行前の小説です。
ものすごく面白く、そして、ものすごく奇怪な小説でした。 あまりにすごいので、私はいまだ、この作品にふさわしいコピーを書けずにいます。
よろしければ、この小説をお読みいただき、すごいコピーを書いていただけませんか。
(ただし結末は絶対に明かさないでください)
その集まったキャッチコピーはルビンの壺が割れた公式サイトに掲載されています。
私が手にした「ルビンの壺が割れた」は「特製全面帯」版となっており、そのキャッチコピーがびっしり記載されています。
キャッチコピー達にさらっと目を通した印象は
- 読み直し必須のストーリー
- 怖さがある
- ネタバレ厳禁
- フェイスブック
- ルビンの壺
よくわからないけど、なんかめっちゃ面白そう!!
ルビンの壺
壺にも見える、人が向かい合っているようにも見える有名な騙し絵です。
こんな写真や絵を見たことある人も多いのではないでしょうか?
ちなみに「水谷一馬」という方のフェイスブック投稿した内容を引用させて頂きましたが・・・この「水谷一馬」という人物は「ルビンの壺が割れた」に出てくる登場人物の一人です。ルビンの壺が割れた公式サイトでも連動されていますので公式アカウントだと思います。
この「ルビンの壺が割れた」という作品ではFacebookが重要なキーワードの1つとなっていて、先ほどのアカウントでは作中と連動させた投稿も有ります。もちろん作品のネタバレ的な投稿も有りませんので読む前でも読んだ後でも投稿内容を確認してみても良いかと思います。※今は更新されていないアカウントです。
ネタバレ無し感想
読み終わった後は前情報通り読み返しました。個人的には騙されたというよりは違和感の答え合わせな印象。
「ネットで賛否両論の渦を巻き起こした」
との事ですが私は・・・否寄りかなー
この本のいいところは手軽に読める事です。だいたい1時間ぐらいで読み終わりました。読むのが遅かったりしても2時間あれば、読み直しも出来ると思います。
登場人物が少ない等のこの本の特徴的な文章の構成もあるでしょうけど、そもそもの文字数が少ないです。
1ページあたりの文字数はこんな感じ、ページ数は156ページとなっているのでサクサクっと読み終われちゃいます。
キャッチコピーで何か仕掛けの有る物語というのはわかっちゃうと思いますが、話の良し悪しは置いといても仕掛けの有る話をサクッと楽しめるのはオススメポイントの1つです。
未だ読んでなくて気になっている人は思わぬネタバレする前に早く読みましょう!
ネタバレ有り感想
一馬が序盤から気持ち悪過ぎた。あきらかに犯罪者かストーカー。未帆子もなんで返信するんだろう?と不自然さを感じるぐらい。
読み進めたら結局犯罪者。
うーん・・・気持ち悪い行動をするしかなかった理由が有るのかと期待したのに・・・
「ルビンの壺」というから一馬と未帆子のやり取りの間に全く別の話が隠れてるのかな?とも思ったりもしたんですけどねぇ
個人的に1番イマイチに感じたのがここですね。全然「ルビンの壺」感が無いっ!
未帆子も一馬が怪しいと優子の事を調べたりしている訳だからフェイスブックのやり取りを警察に提出する気満々なのに過去のトルコの事を堂々と書いているのも違和感。
当時も今もトルコに対して負い目は無いようだけど・・・娘にも言えるのかな?何かの拍子に娘があのやり取りを目にするリスクとか考えたら赤裸々に語る必要性が感じられない。
警察に突き出すために一馬の変態性を引き出そうとしているのかも知れないけど、そんな事しなくても一馬の変態性を引き出せそうなのに。
あと、50代はフェイスブックのメッセンジャーであんな長文のやり取りするのが普通なのかな?
出版社も話題作で力入れているなら、横書きにしたり送信日時付けたりして、もっとフィスブックっぽさを出せばよかったのにと思います。
「最後のネタバラシで読み直したくなる物語」としてはイニシエーションラブの方が完成度が高かくて良かったです!
宿野かほる先生の2作目「はるか」
個人的にはイマイチだった「ルビンの壺が割れた」ですが、売上的には良かったおかげなのか、宿野かほる先生の2作目が出版されました!
まだ、読んでいませんが、同じように話題となっているので、気になっている人は是非っ!
おわりに
今思えばキャッチコピーは賛否両論の賛の意見ばっかりなんですよね。否の意見を全く仕入れていない為にハードルを上げ過ぎてしまいました・・・
否の感想では有りますが、あの仕掛けは体験して欲しいとは思いますので否の理由を書くとネタバレになるのが難しいところでは有ります。
1時間ちょっとで仕掛けの有る小説を楽しみたい人は大いにオススメする一冊です!
それでは!